7月に入り、ドジョウが旬を迎えている。この時期はシーズンとあって業務筋からの需要が多く、主に柳川あるいは丸鍋、唐揚げ、ドジョウ汁などの料理に向けられる。柳川鍋は江戸時代から続く伝統的な料理で、泥臭のあるドジョウをアクの強いゴボウと一緒に煮ることで泥臭さを抑えているのが特徴だ。
ただ、仲卸筋は「最近は食べる人が減って昔ほど売れなくなったよ。扱う量はさらに減っていくだろうね」と残念そうな表情を浮かべる。
ちなみに、昨年一年間の東京・築地市場のドジョウの入荷量(市場年報による)は21.9tで、一昨年の25.2tと比べて約3tの減少。また、今年は5月までの入荷量が6.8tで、昨年同時期の7.5tよりやはり0.7t少なくなっている。需要が減少している要因には、消費量の大半を占める中国の現地高に加えて為替円安から輸入価格が大幅に値上がっていることで、業務筋の扱いに変化が出ていることが大きい。
それを裏付けるように、昨年の今頃の相場は国産の大サイズが2,100〜2,000円、中国産が1,900〜1,800円だったのに対し、今年は概ね、国産が1,900〜1,800円、中国産が2,000円と、相場が逆転している。
荷受筋は「国産は北海道や青森・茨城や千葉など産地が広域も、昔ほど獲れず、絶対量のない中で価格が変化する傾向にある。それに、中国も現地での消費が増加傾向にあることで価格が上昇、その影響を受けて輸入しづらくなっている」と分析している。


