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「蒲焼店が考える“これから”」13 〜2014年6月15日号掲載

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鴛尾 明
(日本橋 鰻 高嶋家/東京都中央区)

『職人が焼く伝統の蒲焼を召し上がっていただきたい』

消費税増税以降、売れ行きに変化は出ているか?

「すべての品目ではありませんが値上げをしました。値上げ分は増税分のみ一律の金額ではありません。当店の販売価格は税込み総額表示です、以前より1円の位は切り捨てをしてきましたので、今回もそれを踏襲しております。増税のため、4月以降消費は落ち込むかと心配していましたが、そこまで目立った落ち込みは無いように思います。5月の連休が明けてから静かになった気がします」

一方、資源保護についてはどう考えているか?

「資源保護の動きは大賛成です。応援しております。先日も岡山の天然鰻の漁師さんにお会いしてきましたが、土手の護岸工事などで天然鰻が減少している事を嘆いていました。理由は護岸工事だけでは無いのかも知れませんが、鰻にかかわる人すべての方が納得して資源保護の方向にすすめられれば理想だと思います」

またウナギのPRについてはどうしていくべきか?

「加工工場で作られた蒲焼の市場が拡大しすぎたのではないでしょうか。蒲焼店も活鰻価格の急騰などの理由に閉店したお店はありますが、そこまで専門店のお客様が減っている印象はありません。我々蒲焼店は美味しい鰻をご用意し、お客様に満足していただけるため日々努力しております。『鰻ってこんなに美味しかったんだ!』というお客様の声は誉め言葉だと思っております。ぜひぜひ、より多くのお客様に鰻専門店で職人の焼いた伝統の蒲焼を召し上がっていただきたいと切に願っております」

近年、ウナギ業界は資源、そして低迷する消費の問題などが山積している。うなぎ屋さんとして今後、どう進んでいくべきか。

「進むべきといいますか、お客様に対して思いを伝える、様々なアプローチができる時代だと思います。当店では活鰻価格が急騰したおりにも値上げを致しました。その際に静岡にあります共水うなぎさんのブランド鰻を扱う事を決めました。世間で『鰻が高い!』と言われている時に、お客様に少しでもお値段以上のもの、特別感を味わっていただきたく思い販売を開始いたしました。

ありがたいことに今では、この共水うなぎを求めてこられるお客様がとても増えました。今年の土用の丑の日に1日限定ではございますが、日本橋三越本店さんの地下1F地下鉄入り口にて共水うなぎ蒲焼を特別販売させていただきます。そして、共水うなぎの冷凍真空パックのインターネット販売も父の日や、お中元等の贈り物に全国よりご注文を頂戴しております。

またSNSは手軽に情報交換が出来ていいと思います。その反面、手軽さからか不必要な投稿も。投稿する側、受け取る側、今後お互いにマナーが求められてくると思います。東京以外の蒲焼店さんなどで情報が問屋さんからしかこないと嘆いていたのを聞いた事があります。これをきっかけに蒲焼店として横のつながり、または養殖業者の方々などとも情報交換等できればいいのではないのでしょうか?」

[データ]
「日本橋 鰻 高嶋家」
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町11-5
TEL:03-3661-5909

鴛尾明氏ブログ用.jpg

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中

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